大和ハウス工業株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令
| 公表日 | 2020年12月16日 |
|---|---|
| 処分などの種類 | 課徴金納付命令 |
| 出典 | 消費者庁 |
| 関連法規 | 景表法・温泉法 |
| 関連条文 | - |
| 違反の類型 | 優良誤認 |
| 商品カテゴリ | 飲食・外食 |
| 違反パターン | A-5 原産地・品質・規格 |
概要
大和ハウス工業株式会社が運営を委託する「岩塩温泉りんくうの湯」(大阪府泉佐野市)及び「岩塩温泉和らかの湯」(奈良県大和郡山市)の2つの公衆浴場において、店舗ウェブサイト、店舗入口付近の掲示物、浴場入口付近の掲示物、浴場内掲示物等の複数の媒体で、浴槽の温水について「岩塩温泉」「含硫黄・ナトリウム・塩化物泉に類似」などと表示し、切り傷、火傷、慢性皮膚炎、糖尿病、高血圧、関節痛など多数の効能を記載していた。さらに「分析試験成績」としてピンク岩塩の成分分析結果を掲示していた。
しかし実際には、りんくうの湯及び和らかの湯は温泉法第15条第1項の規定に基づく温泉利用の許可を受けておらず、浴槽の温水は工業用水や井戸水を加温した上でブラック岩塩の粉末状浴用化粧品とソーダ灰(炭酸ナトリウム)を用いたものに過ぎなかった。「ピンク岩塩」と称するものは実際には使用されておらず、掲示されていた「ピンク岩塩」の分析試験成績には何ら根拠がなかった。温泉でもないものを温泉であるかのように表示し、効能を謳っていたことは、景品表示法第5条第1号(優良誤認表示)に該当する。表示の裏付けとなる根拠資料を十分に確認することなく表示を行っていた点も問題とされた。
問題とされた表示(公表資料より)
- 「温泉名 岩塩温泉りんくうの湯」
- 「ピンク岩塩とブラック岩塩を溶解させたお湯を岩風呂と展望風呂でご用意しています。」
- 「温泉の特色 良質の硫黄分を豊富に含み、「含硫黄・ナトリウム・塩化物泉」に類似しております。」
- 「含硫黄・ナトリウム・塩化物泉の効能 切り傷、火傷、慢性皮膚炎、慢性婦人病・糖尿病・高血圧・関節痛・打ち身、動脈硬化神経痛、慢性消化器炎、胃弱、冷え性など」
- 「分析試験成績(100g中)」
- 「ピンク岩塩とブラック岩塩を溶解させたお湯を「岩風呂」「展望風呂」でご用意しております。」
- 「この岩塩温泉の特色として硫黄成分を多く含み、硫黄独特の香りがし「含硫黄・ナトリウム・塩化物泉」に類似しております。」
- 「岩塩温泉」
- 「【含硫黄-ナトリウム-塩化物泉の効能】 切り傷、火傷、慢性皮膚炎、慢性婦人病、糖尿病、高血圧、関節痛、打ち身、動脈硬化神経痛、慢性消化器病、胃弱、冷え性など」
- 「ヒマラヤ ピンク岩塩 ブラック岩塩使用」
- 「ヒマラヤの大地の恵みが溶け込んだ癒しの湯 岩塩温泉」
- 「温泉について ヒマラヤ山脈で産出された岩塩」
- 「和らかの湯の岩塩温泉では、天然温泉ではありませんが、ヒマラヤ山脈で産出されたピンク岩塩とブラック岩塩を溶解させたものでありミネラルを豊富に含んだお湯となってます。岩塩温泉は岩風呂とつぼ湯でお楽しみいただけます。」
- 「泉質について ミネラル豊富な岩塩温泉」
- 「岩塩温泉に溶け込んでいるピンク岩塩には太古の海水中のミネラルが豊富に含まれています。またブラック岩塩にはミネラルに加え多くの鉄分と硫黄成分が含まれており、温泉地のような硫黄の香りがします。」
- 「ピンク岩塩とブラック岩塩を溶解させたお湯を「つぼ湯」「岩風呂」でご用意しております。」
適正な表現例
温泉法第15条第1項に基づく温泉利用の許可を取得し、実際に温泉を使用していれば、温泉名称や泉質・効能の表示は適法であった。また、「ピンク岩塩」を実際に使用し、分析試験成績に科学的根拠があれば、当該成分表示は許容された可能性がある。人工温泉として表示する場合でも、実際に使用している原料と表示内容が一致しており、効能について合理的根拠を示す資料を提出できれば、景品表示法上の問題は生じなかった。
この事例に関係する違反パターン
- A-5 原産地・品質・規格:商品の原産地、原材料、製造方法等について事実と異なる表示を行うケースです。景表法上の優良誤認表示に加え、食品表示法上の表示基準違反としても…
参照リンク
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本ページは、消費者庁・厚生労働省などの公表資料をもとに整理した情報です。個別の広告表現が適法かどうかを判断・保証するものではありません。弁護士の監修範囲は、違反パターンの類型化と法的解説です。実際の表現は、最新の法令・ガイドラインと専門家の確認のうえでご判断ください。
収録データ:2026年9月18日公表分まで(ページ更新:2026年10月11日)