広告表現チェックリスト(17の違反パターン別)
AI審査データベースの17の違反パターンについて、弁護士監修の「判断ポイント」と「NG表現例」を、広告の確認に使えるチェックリストの形にまとめました。印刷してお使いいただけます。
効果効能・品質の表現
A-1 不実証広告 景表法薬機法健増法
- 効果・性能の表示には、客観的に実証された合理的根拠(試験・調査データ等)が必要
- 消費者庁から求められた場合、15日以内に根拠資料を提出しなければ不当表示とみなされる
- 薬機法上、化粧品は56項目・医薬部外品は承認範囲内の効能効果のみ標ぼう可能
- 健康食品で疾病の治療・予防効果を標ぼうすると薬機法第68条(未承認医薬品広告)にも抵触
- 「※個人の感想です」等の打消し表示は不実証広告規制の適用を免れない
NG表現例:「飲むだけで脂肪燃焼!」(客観的な試験データなし)→ 景表法・薬機法・健増法/「空間のウイルスを99.9%除去」(実使用環境での効果が未実証)→ 景表法/「ガンに効く」「高血圧症の改善」(健康食品で疾病治療効果)→ 薬機法第68条・健増法
A-2 体験談・口コミ表示 景表法薬機法健増法
- 体験談に「個人の感想です」の打消し表示があっても、全体として効果を保証する印象ならNG
- 薬機法上、医薬品等の効能効果についての使用体験談は原則認められない
- 使用前後の写真(ビフォーアフター)は撮影条件操作による誤認リスクが高い
- 臨床データや実験例を例示して効能効果を広告することは原則不可(薬機法)
- 健康食品の体験談で疾病治療効果を暗示する表現は薬機法第68条にも抵触
NG表現例:「3週間で-10kg達成!」(個人の感想です)← 打消し表示が不十分 → 景表法/「シミもシワもすぐ消えた!」(使用体験談)→ 薬機法第66条/「保湿効果に満足しています」(効能効果の体験談)→ 薬機法第66条
A-3 No.1・比較広告 景表法薬機法
- No.1表示には客観的調査に基づく合理的根拠が必要
- 薬機法上、医薬品の効能効果について最大級の表現(最高のききめ、売上No.1等)は禁止
- 他社製品と比較して自社製品の効能効果が優れているとする表現は薬機法上も不可(誹謗広告)
- 「強力な」「強い」等の表現も最大級表現に類するものとして原則禁止(薬機法)
NG表現例:「顧客満足度No.1」(調査根拠なし)→ 景表法/「最高のききめ」「無類のききめ」→ 薬機法・適正広告基準/「○○社製の製品より良く効きます!」→ 薬機法(誹謗広告)
A-4 打消し表示 景表法
- 打消し表示は強調表示から受ける印象を打ち消す程度のものでなければ不当表示となる
- 文字の大きさ・配置・色が強調表示と著しく異なる場合は不十分とみなされる
- 動画広告では表示時間の短さも問題になる
- 「※個人の感想です」は体験談の効果保証の印象を打ち消さない
NG表現例:「初回500円!」(極小文字で「4回継続が条件、総額16,000円」)→ 景表法/「全額返金保証」(別ページに「30日以内・未開封のみ」の条件)→ 景表法/「送料無料」(※一部地域を除く、が視認困難な位置に記載)→ 景表法
A-5 原産地・品質・規格 景表法食品表示法
- 「国産」表示は主要原材料の原産地と一致している必要がある
- アレルギー表示(特定原材料8品目)の欠落は重大な法令違反
- 「天然」「無添加」等の表示は定義に即した根拠が必要
- 栄養成分表示は原則義務表示
NG表現例:「国産牛肉使用」(実際は外国産を国内加工)→ 景表法・食品表示法/「天然素材100%」(合成素材が一部含有)→ 景表法/アレルギー物質を含むのに表示欠落 → 食品表示法
商品カテゴリ別規制
B-1 化粧品の広告 薬機法
- 化粧品の効能は56項目に限定されており、範囲を超える表現は不可
- 浸透は角質層までであり「肌の奥深く」「肌の内側から」等は不可
- 「エイジレス」「肌の活性化」「肌細胞の再生力を高める」等は効能範囲を逸脱
- 成分を特記する場合は配合目的の併記が必要
- 「100%無添加」「100%ピュア」等は過度な強調として不適切
NG表現例:「目じりの小じわがなくなります」→ 56項目逸脱/「肌の奥深くへ浸透」→ 角質層を超える浸透表現/「シミ、そばかすの除去」→ 医薬品的効能効果
B-2 医薬部外品の広告 薬機法
- しばり表現(例:「メラニンの生成を抑え」)の省略は承認範囲外の表示に該当
- 薬用化粧品の美白効能は「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」に限定
- 既にできたシミ・そばかすの除去・改善は医薬部外品の承認範囲外
- 育毛剤で特定の脱毛型式への効果を標ぼうするのは医薬品の効能効果
- まつ毛へのパーマ剤・育毛剤の適用は承認基準外
NG表現例:「しみ、そばかすを防ぐ」(しばり表現「メラニンの生成を抑え」を省略)/「できてしまったシミ・そばかすの美白に」→ 承認範囲外/「○○型脱毛のあなたにお奨め!」→ 医薬品の効能効果
B-3 健康食品・サプリ 薬機法健増法景表法
- 健康食品で疾病の治療・改善・予防効果を標ぼうすると未承認医薬品の広告に該当
- 身体機能の増強(免疫力強化、新陳代謝促進等)の標ぼうも医薬品的効能効果
- 医薬品的な用法用量の指定(「1日2粒お飲みください」等)も問題
- 体験談・バイブル商法・記事風広告による医薬品的効能効果の暗示も違反
- 含有成分の説明として特定疾病への効果を暗示する表現も不可
NG表現例:「ガンに効く」「糖尿病が改善する」→ 薬機法第68条・健増法/「免疫機能を強化」「血液サラサラ」→ 薬機法第68条/「1日2粒お飲みください」→ 医薬品的用法用量
B-4 機能性表示食品・特保 食品表示法景表法健増法
- 機能性表示食品は届出された機能性表示の範囲内でのみ表示可能
- 特保は許可表示の文言をそのまま使用する必要がある
- 届出・許可されていない効果を暗示する表現は不可
- 疾病の治療・予防を暗示する表現は食品では一切不可
NG表現例:届出表示にない効果を広告で訴求 → 景表法・食品表示法/「○○病の予防に」(食品で疾病予防を標ぼう)→ 健増法・薬機法/特保の許可表示と異なる文言で効果を強調 → 食品表示法
B-5 雑品(医療機器的効能) 薬機法
- マスクで「ウイルスの不活化」等の殺菌効果を標ぼうすると未承認医薬品の広告に該当
- エッセンシャルオイルで身体への効果を標ぼうすると医薬品的効能効果に該当
- 健康器具で肩こり・疲労回復・脂肪減少を標ぼうすると未承認医療機器の広告に該当
- 美容機器でシワ改善・シミ除去を標ぼうすると未承認医療機器の広告に該当
- 電子たばこで「禁煙補助の効果」は未承認医薬品の広告に該当
NG表現例:「新型インフルエンザウイルスの不活化」(マスク)→ 薬機法第68条/「鼻やのどの調子をよくする」(エッセンシャルオイル)→ 薬機法第68条/「肩や腰のコリをほぐす」(健康器具)→ 薬機法第68条
価格・取引条件
C-1 二重価格表示 景表法
- 「通常価格」の比較対照には過去8週間のうち4週間以上の販売実績が必要
- メーカー希望小売価格を比較対照とする場合、実際に設定されている必要がある
- セール終了後に通常価格で販売する合理的計画がない場合は不当表示
NG表現例:「通常価格29,980円→特別価格14,990円」(通常価格での販売実績なし)→ 景表法/「メーカー希望小売価格50,000円のところ19,800円」(当該価格が存在しない)→ 景表法/「定価の60%OFF」(定価で販売した事実がない)→ 景表法
C-2 期間限定・おとり広告 景表法
- カウントダウンタイマーやリロードでリセットされる「残り○個」は違反リスク極めて高い
- 同一キャンペーンを名称を変えて繰り返す行為も規制対象
- 在庫が極端に限られている場合はその旨を明確に表示する義務
- 広告の商品が売り切れ後に高額商品へ誘導する行為は典型的おとり広告
NG表現例:「本日23:59まで!」(翌日も同じ表示が続く)→ 景表法(有利誤認)/「残り3個」(在庫に関係なく常時同じ表示)→ 景表法(有利誤認)/「月額980円〜」(来店すると高額プランしか案内しない)→ 景表法(おとり広告)
C-3 定期購入・最終確認画面 特商法景表法
- 最終確認画面で定期購入である旨・各回代金・支払総額・解約条件を明確に表示義務
- 初回価格の強調と定期条件の打消し表示のバランスが問題になりやすい
- 解約方法が電話のみで繋がりにくい場合は違法となる可能性
- 2022年法改正以降、最終確認画面の表示義務が厳格化
NG表現例:「初回500円!」(極小文字で「4回継続条件、総額16,000円」)→ 特商法・景表法/「いつでも解約可能」(実際は電話が繋がりにくい)→ 特商法/最終確認画面に定期購入の総額が未記載 → 特商法
C-4 返品・解約条件 特商法
- 通信販売では返品特約を広告に明確に表示する義務(表示がなければ8日間返品可)
- 訪問販売・電話勧誘販売では8日間のクーリングオフが認められる
- クーリングオフを妨げる虚偽の説明は特商法違反
- 解約条件が過度に複雑な場合は消費者契約法上の問題にもなりうる
NG表現例:「返品不可」のみの記載(具体的条件が不明確)→ 特商法/「クーリングオフ期間は過ぎた」と虚偽の説明 → 特商法/解約電話番号が繋がらない運用 → 特商法
広告手法・契約
D-1 ステルスマーケティング 景表法
- 事業者が表示内容の決定に関与している場合、広告であることの明瞭な表示義務
- 「PR」「広告」等の表記が消費者に容易に認識できる位置・大きさで必要
- 規制対象は事業者であり、インフルエンサー個人ではなく依頼した事業者が責任を負う
NG表現例:報酬を支払ったインフルエンサー投稿に「PR」表記なし → 景表法/社員が一般消費者を装いECサイトに好意的レビュー投稿 → 景表法/商品提供を受けたブロガー記事に広告表記なし → 景表法
D-2 アフィリエイト広告管理 景表法
- 広告主はアフィリエイターの表示内容についても景表法上の責任を負う
- アフィリエイト広告の内容を確認・管理する体制の整備が必要
- アフィリエイターによる薬機法違反の表現も広告主の責任に(アフィリエイター自身も書類送検の事例あり)
NG表現例:アフィリエイターが「糖尿病に効くサプリ!」と記載(広告主に責任)→ 景表法・薬機法/アフィリエイト記事で「肝臓に効くサプリ!!」→ 薬機法第68条(広告代理店逮捕事例あり)/管理体制なくアフィリエイターの誇大表現を放置 → 景表法
D-3 不実告知・契約取消事由 特商法消契法
- 品質・性能・効果について客観的事実に反する説明は不実告知に該当
- 消費者が断った後の再勧誘は法律で禁止
- 「今日だけの特別価格」等の威迫・困惑行為は違法
- 不実告知があった場合、消費者は契約を取り消すことができる(取消権1年間)
NG表現例:「業界最安値」(実際は他社より高額)→ 特商法・景表法/断った消費者に再度電話で同一商品を勧誘 → 特商法/「今すぐ決めないと価格が下がる」と急かして契約 → 特商法・消契法
本ページは、消費者庁・厚生労働省などの公表資料をもとに整理した情報です。個別の広告表現が適法かどうかを判断・保証するものではありません。弁護士の監修範囲は、違反パターンの類型化と法的解説です。実際の表現は、最新の法令・ガイドラインと専門家の確認のうえでご判断ください。
収録データ:2026年9月18日公表分まで(ページ更新:2026年10月11日)